こんにちは。
前回の記事では、キオクシア株が5万円前後でもみ合いを続けている理由について書きました。
キオクシアは一度大きく下落したあと、好決算や自社株買い、株式分割といった材料が出ても、なかなか一気には上へ抜けませんでした。
一方で、僕が少しだけ保有している東京エレクトロンは、ここ最近の上昇で含み益に転じました。
同じ半導体関連株なのに、
キオクシアはまだ横ばい気味
東京エレクトロンは比較的素直に戻している
という違いがあります。
この動きを見ていて、
「同じ半導体株でも、上がる理由と下がる理由は全然違うんだな」
と改めて感じました。
今回は、前回の記事以降の東京エレクトロンの動きと、キオクシアとの違い、そして今後どこを見ていけばいいのかを、実際に保有している立場から整理します。
※この記事は個人の投資体験と考えを記録したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
東京エレクトロンが含み益に転じた
僕は東京エレクトロンを少しだけ保有しています。
これまでは含み損の時期もありましたが、直近の上昇でようやく含み益に転じました。
ここ最近の値動きを見ていると、キオクシアと比べて戻り方がかなり違います。
東京エレクトロンは、短期的な調整を挟みながらも、好業績とAI関連需要を背景に買いが入りやすい状態です。
さらに9月末には株式分割もあり、1株あたりの価格が下がったことで、個人投資家にとっても買いやすくなりました。
分割そのものでは資産価値は変わりません。
ただ、株価が数万円から1万円台になることで、
「1株だけなら買ってみようかな」
という人が増えやすくなります。
こうした心理的な買いやすさも、今後の売買には多少影響すると思います。
東京エレクトロンの業績はかなり強い
東京エレクトロンの直近決算はかなり強い内容でした。
2027年3月期第1四半期では、
- 売上高:約7,324億円
- 営業利益:約2,114億円
- 純利益:約1,643億円
となり、前年同期比で大幅な増収増益でした。
さらに会社は上期予想も上方修正しています。
つまり今のところ、
「半導体ブームだから期待だけで買われている」
というより、
「実際に売上と利益が伸びている」
状態です。
ここが、株価が比較的素直に戻っている理由の一つだと感じています。
東京エレクトロンは「半導体そのもの」ではなく「装置」を売っている
東京エレクトロンとキオクシアの違いを考える上で、ここが一番重要です。
キオクシアはNANDフラッシュメモリーそのものを作っています。
一方、東京エレクトロンは、半導体を作るための製造装置を販売しています。
かなり簡単に言うと、
キオクシアは「金を掘る側」
東京エレクトロンは「ツルハシを売る側」
に近いです。
半導体メーカーが、
「もっとGPUを作りたい」
「もっとHBMを作りたい」
「もっとAI向けチップを作りたい」
となれば、工場や製造装置への投資が必要になります。
その時に恩恵を受けるのが、東京エレクトロンのような半導体製造装置メーカーです。
キオクシアはNAND価格の影響を強く受ける
一方、キオクシアは少し事情が違います。
キオクシアの利益は、
- NAND価格
- 生産量
- 需要
- 中国メーカーとの競争
- 供給過剰
といった要因に大きく左右されます。
AI需要が強くても、NANDメーカーが一斉に増産すれば、
供給増加
↓
NAND価格下落
↓
利益率低下
ということが起こります。
つまり、
AI需要が強い=必ずキオクシア株が上がる
ではありません。
ここが東京エレクトロンとの大きな違いです。
東京エレクトロンは「設備投資」が続く限り恩恵を受けやすい
東京エレクトロンの場合は、半導体メーカーが設備投資を続ける限り、売上につながりやすいです。
AIデータセンター需要が伸びる
↓
GPU・メモリー・ロジック半導体が必要
↓
半導体メーカーが工場へ投資
↓
製造装置が必要
↓
東京エレクトロンへ注文
という流れです。
もちろん、設備投資が止まれば東京エレクトロンも大きく影響を受けます。
ただし、NANDだけではなく、
- ロジック半導体
- DRAM
- HBM
- ファウンドリー
- AI向け先端半導体
など、幅広い設備投資の恩恵を受けられる点は強みだと思います。
NVIDIAの好決算も追い風になった
8月末のNVIDIA決算も、半導体市場にとって重要な材料でした。
NVIDIAは売上高、データセンター売上ともに大幅成長を続け、次の四半期についても強い見通しを出しました。
これによって、
AI設備投資はまだ続くのか?
という市場の不安が多少後退しました。
東京エレクトロンにとっては、かなり分かりやすい追い風です。
NVIDIAやTSMC、Samsung、SKハイニックスなどがAI需要に対応するために設備投資を増やせば、その一部は製造装置需要につながります。
キオクシアはまだ「株価の整理」が必要
キオクシアと比較すると、東京エレクトロンの株価が素直に戻っている理由が分かります。
キオクシアは、7月に高値から大きく急落しました。
そのため今でも、
- 高値で買った人の戻り売り
- 安値で買った人の利益確定
- 信用買いの整理
- 大株主の売却
- 中国YMTCとの競争への警戒
などが残っています。
業績が良くても、株価の需給が重い状態です。
一方、東京エレクトロンはキオクシアほど極端な需給崩壊を起こしていません。
そのため、
業績が良い
↓
買われる
↓
株価が戻る
という流れが比較的分かりやすく出ています。
東京エレクトロンの次の重要イベントは10月30日
今後、東京エレクトロンを見る上で重要なのが次回決算です。
現時点では、次回決算は10月30日の予定です。
ここで確認したいのは、
- AI向け半導体投資がまだ強いか
- HBM・DRAM向け投資が続いているか
- 中国向け売上への規制影響
- 下期の業績見通し
- 来期の設備投資需要
です。
今の株価は、かなり強い業績を織り込み始めています。
そのため、
良い決算
だけではなく、
市場が想定していた以上に良いか
が重要になります。
含み益になったからすぐ売るべきか
含み益に転じると、
「今のうちに利益を確定したほうがいいかな」
という気持ちが出ます。
僕も少し考えました。
ただ、今の東京エレクトロンについては、
- 業績が強い
- AI設備投資が続いている
- 半導体製造装置需要も強い
- 次回決算も近い
という状況です。
そのため、今すぐ全部売るより、
次の決算まで保有して、成長が続いているか確認する
という考え方もありだと思っています。
もちろん、短期的には高金利やAI投資への警戒で調整する可能性があります。
ただ、企業の中身自体が崩れているわけではありません。
逆に、今追加で買うのはどうか
含み益になったからといって、すぐ追加で大きく買うのも少し違うと思っています。
株価が上がった直後は、
- 利益確定
- 金利上昇
- AI投資への過熱警戒
- 半導体株全体の調整
などで、一時的に押す可能性があります。
さらに10月30日に決算があります。
そのため、追加するなら、
株価が上がっているから追いかける
より、
決算後に業績の強さを確認してから
でも遅くないと考えています。
高金利は少し気になる
今後のリスクとして、一番気になっているのは金利です。
米国の長期金利は高い水準が続いています。
一般的に、金利が高いと成長株は売られやすくなります。
東京エレクトロンのように、将来の成長期待を織り込んで買われる銘柄は特に影響を受けやすいです。
そのため、
業績は良いのに株価が下がる
ということも普通に起こります。
これはキオクシアでも同じです。
AI投資が本当に続くかも重要
もう一つは、
巨額のAI設備投資が本当に続くのか
です。
Google、Microsoft、Meta、Amazonなどは、AIデータセンターへ非常に大きな金額を投資しています。
今のところNVIDIA決算を見る限り、需要は強いです。
しかし今後、
「投資額の割に利益が出ない」
となれば、設備投資が減速する可能性があります。
そうなれば、東京エレクトロンにも影響します。
つまり東京エレクトロンは、
AI設備投資が続く限りかなり強い
一方で、
AI設備投資が止まると影響も大きい
会社だと思っています。
キオクシアと東京エレクトロンを両方持って感じたこと
両方持っていて、かなり勉強になりました。
同じ半導体株でも、
キオクシアは、
NAND価格と需給を読む株
という色が強いです。
一方、東京エレクトロンは、
世界の半導体設備投資を見る株
という印象です。
キオクシアでは、
- NAND価格
- YMTC
- 信用買い
- 大株主売却
を見る必要があります。
東京エレクトロンでは、
- NVIDIA
- TSMC
- Samsung
- SKハイニックス
- AI設備投資
- 中国向け規制
を見る必要があります。
「半導体株」とひとまとめにするのは、かなり危険だと感じました。
今の僕の方針
キオクシアについては、まだ大きく追加せず、次回決算や株価の上抜けを待っています。
一方、東京エレクトロンについては、少額保有のまま次回決算まで様子を見るつもりです。
含み益になったからすぐ売る。
あるいは、
上がっているから追加する。
どちらも今は急がなくてもいいかなと思っています。
今のところ東京エレクトロンは、
業績が強く、その強さを株価が比較的素直に評価している
状態です。
その流れが10月30日の決算でも確認できるかを見たいと思っています。
まとめ
最近、少額保有している東京エレクトロンが含み益に転じました。
キオクシアが5万円台相当で横ばいを続ける一方、東京エレクトロンは比較的しっかりした戻りを見せています。
その違いを調べてみると、
東京エレクトロンは、
- AI向け設備投資
- 半導体工場の増設
- HBM・DRAM・ロジック半導体需要
- 実際の増収増益
といった材料を、比較的そのまま株価に反映しやすい状態です。
一方キオクシアは、
- NAND価格
- 供給量
- 中国YMTC
- 戻り売り
- 信用買い
- 大株主売却
といった別の問題を抱えています。
同じ半導体株でも、上がる理由はまったく違います。
今回、両方を保有していて改めて感じたのは、
「半導体が強いから買う」ではなく、「その会社が半導体のどこで稼いでいるのか」を見る必要がある
ということです。
キオクシアではNANDの需給。
東京エレクトロンでは世界の設備投資。
今後は、この違いを意識しながら両方の決算を追っていきたいと思っています。
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