こんにちは。
前回の記事では、キオクシア株が4万円台から急反発し、その後5万円前後で底固めをしているように見えること、そして大きく追加投資するなら「5万5,000円〜6万円台をしっかり超えてからでも遅くない」と考えていることを書きました。
その後、株価は一時5万7,000円〜6万円台まで戻しました。
「いよいよ上昇トレンドに戻るのではないか」
と感じたのですが、そのまま上には抜けず、再び5万円前後まで押し戻されています。
しかも、8月26日時点ではキオクシアだけでなく、半導体関連ETFや米国の半導体株も再び弱含んでいます。
つまり今は、
「半導体全体は上がっているのに、なぜキオクシアだけ上がらないのか」
という状況ではありません。
むしろ、
半導体セクター全体が再び不安定になる中で、キオクシアはなぜ5万円前後で粘っているのか
と見るほうが正確です。
今回は、前回の記事以降の値動きと、キオクシアが5万円前後でもみ合っている理由を、実際に保有している立場から整理します。
※この記事は個人の投資体験と考えを記録したものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
一度は6万円台まで戻した
キオクシア株は、3万円台後半まで急落したあと大きく反発しました。
決算、自社株買い、株式分割などの材料もあり、株価は一時5万7,000円〜6万円台まで上昇。
この時点では、
「やはり4万円前後は売られすぎだったのではないか」
と感じました。
実際、チャート上では、
3万8,000円前後
↓
4万円台
↓
5万円台
↓
5万7,000円〜6万円台
と、かなり強い戻りでした。
僕自身も、
5万5,000円〜6万円台を超えて維持できれば、次の上昇に進めるのではないか
と考えていました。
しかし、その後は再び5万円前後まで下落。
今は上にも下にも大きく動かず、5万円近辺を行ったり来たりしています。
半導体ETFも再び下がっている
前回まで僕は、
「半導体ETFはかなり戻しているのに、キオクシアだけ伸びない」
という見方をしていました。
ただ、8月26日時点では、その状況も変わってきました。
ここ数日はNVIDIAやMicron、Broadcomなどの半導体株も軟調で、AI設備投資への不安や金利、地政学リスクなどを背景に、半導体セクター全体が再び弱くなっています。
そのため、今のキオクシアの横ばいは、
- キオクシア独自の売り圧力
- 半導体市場全体の弱さ
の両方が影響していると考えたほうが自然です。
ここは前回までの見方から修正したポイントです。
それでもキオクシアが5万円前後で粘っているのは面白い
一方で、少しポジティブに見ている点もあります。
それは、
半導体株全体が再び弱くなっているのに、キオクシアが7月のように一気に崩れていない
ことです。
以前は5万円を割ると、そのまま4万円、3万円台へと急落しました。
しかし現在は、
4万9,000円前後
↓
買いが入る
↓
5万円台へ戻る
という動きが何度か見られています。
つまり、
5万円前後なら買いたい
と考える投資家が一定数いる可能性があります。
これは、暴落時とは明らかに違います。
なぜ5万円から上に抜けないのか
では、なぜ5万円前後では買いが入るのに、そこから上にはなかなか伸びないのでしょうか。
一番分かりやすいのは、
上がると売りたい人も多い
からです。
キオクシアは、高値11万円台から3万円台まで大きく下落しました。
その途中で、
5万5,000円
6万円
7万円
8万円
9万円
といった価格帯で買った人がたくさんいます。
そのため株価が戻ると、
「また下がる前に少しでも損を減らしたい」
と考える人が増えます。
これが戻り売りです。
4万円前後で買った人は利益確定したくなる
反対に、3万円台後半〜4万円台で買った人にとって、5万円台はすでにかなり利益が出ています。
たとえば4万円で買って5万5,000円で売れば、短期間で約37%の上昇です。
これなら、
「ここで一度利益を確定しておこう」
と考える人がいても不思議ではありません。
つまり5万円台では、
- 高値で買った人の戻り売り
- 安値で買った人の利益確定
の両方が出やすいわけです。
これが、上値が重い理由の一つです。
東芝の売却も上値を抑える要因
もう一つ気になるのが、大株主の売却です。
東芝はキオクシア株の保有比率を徐々に下げています。
これはある程度予定されていた動きではありますが、市場から見ると、
買いたい人が増えても、大株主から株が追加で出てくる
状態です。
たとえるなら、
人気商品を買いたい人が増えているのに、倉庫から在庫が大量に追加されるようなものです。
需要が増えても供給も増えるので、価格は上がりにくくなります。
業績が悪くなくても、こうした需給だけで株価が重くなることがあります。
信用買いの影響もまだ残っている
前回の記事でも触れましたが、キオクシアは信用買いがかなり多かった銘柄です。
信用買いを簡単に言うと、
借りた力を使って株を買う
ことです。
株価が上がっている時は利益を大きくできます。
しかし下がると、
株価下落
↓
損失拡大
↓
追加資金が必要
↓
払えない人が売る
↓
さらに下落
という流れになります。
7月の暴落では、こうした売りが下落を加速させた可能性があります。
一度大きく整理されたとはいえ、信用買いが完全に消えたわけではありません。
そのため、少し相場が弱くなると、また売りが出やすい状態ではあります。
中国YMTCとの競争も無視できない
キオクシアを見る上で、中国のYMTCは重要です。
YMTCはキオクシアと同じNANDフラッシュメモリーを作っています。
中国国内での需要を背景に成長しており、設備投資や研究開発にも力を入れています。
これはキオクシアにとって、
- 市場シェア
- 価格競争
- 供給過剰
につながる可能性があります。
AI向け需要が増えても、NANDメーカー全体が増産しすぎれば価格が下がる可能性があります。
そのため市場は、
AI需要が強いから安心
ではなく、
供給も増えるなら、今の高い利益率は続くのか?
という点を警戒しています。
半導体ETFとキオクシアは同じようには動かない
ここも今回改めて感じたことです。
半導体ETFには、
- NVIDIA
- Broadcom
- TSMC
- AMD
- 半導体製造装置メーカー
など、さまざまな企業が含まれています。
AI向けGPU需要が強ければ、その恩恵を直接受ける企業も多いです。
一方キオクシアはNANDメモリーです。
キオクシアの場合は、
AI需要
+
NAND価格
+
供給量
+
中国メーカーとの競争
を合わせて考える必要があります。
だから、
半導体ETFが上がるから、キオクシアも同じように上がる
とは限りません。
逆に今回のように半導体ETFまで下がっている中で、キオクシアが5万円前後を維持できるなら、相対的には悪くないとも言えます。
「今がメモリー価格のピークでは?」という不安
キオクシアの株価を考える時に重要なのが、
今の好業績がどこまで続くのか
という点です。
NANDメモリーは、需要と供給によって価格が大きく変わります。
需要が増えても、各社が一斉に増産すると、
供給増加
↓
価格下落
↓
利益率低下
ということがあります。
そのため、今の決算が良くても市場は、
今が一番いい時なのではないか
と考えることがあります。
株価は現在よりも将来を先に見て動くので、
「今の売上が良い」
だけでは上がり続けないわけです。
NVIDIA決算待ちも影響している
8月26日時点では、NVIDIAの決算も大きなイベントです。
AI半導体市場の中心企業なので、
- AI需要は引き続き強い
- データセンター投資も続く
- 今後も成長する
という内容が出れば、半導体株全体には追い風になります。
逆に、成長鈍化を感じさせる内容なら、半導体株全体がさらに売られる可能性があります。
そのため、キオクシアを新しく買いたい人も、
NVIDIA決算を見てからでいい
と考えやすくなります。
これも短期的に買いが弱くなる理由の一つです。
今は「上がらない」より「5万円を守っている」と見ることもできる
以前は、
なぜ5万円から上がらないのか
という点ばかりを見ていました。
ただ、今は少し見方を変えています。
半導体株全体が再び弱くなっている中で、
なぜ5万円を割れてもすぐ戻ってくるのか
を見ることも重要です。
7月のキオクシアなら、半導体市場が弱くなるとそのまま下へ崩れていました。
現在は、5万円前後で何度も買いが入っています。
もちろん本当に底を打ったとはまだ言えません。
ただ、
5万円前後が新しい基準価格として意識され始めている
可能性はあります。
今は株主が入れ替わっている途中なのかもしれない
個人的には、現在の横ばいをそこまで悲観的には見ていません。
イメージとしては、
暴落で一度壊れた株主構成を作り直している途中
です。
高値で買った人が売る。
安値で買った短期投資家も利益を確定する。
そこへ新しく、
「今の業績なら長期で持ってもいい」
と考える投資家が入る。
この入れ替えが終わらないと、株価はなかなか上へ進みません。
しかし、売りたい人が徐々に減れば、同じ買い注文でも株価は上がりやすくなります。
今の横ばいは、
次の値動きに向けて、売りを消化している時間
とも考えられます。
今後のポイントはやはり5万5,000円〜6万円
現在は、
下:4万9,000〜5万円前後では買われる
一方で、
上:5万5,000〜6万円前後では売られる
という形になっています。
今後、
5万5,000円突破
↓
6万円突破
↓
その水準を数日維持
となれば、
戻り売りをかなり吸収した
と判断しやすくなります。
その場合、次は6万5,000円〜7万円台への回復が意識される可能性があります。
逆に、
5万円を明確に割る
↓
4万9,000円でも戻らない
↓
4万5,000円台へ
となれば、まだ底固めが終わっていなかった可能性があります。
僕はまだ20万円を一気に追加していない
僕は現在、キオクシアに約29万円を投資しており、平均取得単価は約8万6,000円です。
以前、株価5万円で20万円を追加した場合を計算しました。
その場合、平均取得単価は約6万6,500円まで下がります。
かなり魅力的です。
ただし、投資総額は約49万円になります。
1銘柄への投資額が一気に増えるので、現在も20万円をまとめて追加してはいません。
今の考えは、
安いから買うのではなく、次の上昇の証拠を確認してから大きく追加する
です。
大きく追加するなら「底値」より「流れ」を確認する
今の僕が大きな追加を検討するなら、
- 5万5,000円〜6万円をしっかり超える
- その価格を数日維持する
- 半導体市場全体も持ち直す
- NAND需要の見通しが崩れていない
といった条件が揃った時です。
当然、5万円より高い価格で買うことになります。
でも、
5万円で下落途中を買う
のと、
5万8,000円で上昇を確認して買う
のでは意味が違います。
最安値を取れなくても、方向が確認できた後のほうがリスクを減らせる場合があります。
今回改めて学んだこと
今回のキオクシア株では、
「半導体」という一言だけで判断してはいけない
ということを改めて感じました。
同じ半導体でも、
- GPU
- NANDメモリー
- DRAM
- 製造装置
- ファウンドリー
では、業績を左右する要因が違います。
さらに株価には、
- 戻り売り
- 利益確定
- 大株主の売却
- 信用買い
- 中国企業との競争
まで影響します。
半導体ETFの値動きだけを見て、
「キオクシアも上がるはず」
と考えるのは単純すぎると実感しています。
まとめ
8月26日時点、キオクシア株は5万円前後で横ばいが続いています。
一時は半導体ETFが回復する中でキオクシアだけが伸び悩んでいましたが、現在は半導体セクター全体も再び軟調になっています。
その中でキオクシアが5万円前後を維持している背景には、
- 5万円前後での押し目買い
- 好決算や自社株買いへの評価
がある一方、
- 5万5,000〜6万円台の戻り売り
- 安値で買った投資家の利益確定
- 大株主の売却
- 信用買いの重さ
- 中国YMTCとの競争
- NAND価格ピークアウトへの警戒
- NVIDIA決算待ち
といった重しもあります。
現在は、
5万円では買いたい人がいる
5万5,000〜6万円では売りたい人がいる
という状態です。
僕自身は、今の価格で20万円を一気に追加するのではなく、5万5,000〜6万円を明確に超え、上昇が定着するかを確認してから大きな追加を検討するつもりです。
以前は、
なぜ上がらないのか
ばかり気にしていました。
でも今は、
半導体全体が弱くなっているのに、なぜ5万円で崩れないのか
という見方もしています。
横ばいは退屈です。
ただ、大暴落後の株にとっては、この「何も起きていないように見える時間」が、次の大きな値動きの準備期間なのかもしれません。
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