なぜ今、ビットコインなのか?イラン戦争とインフレから考える「法定通貨が薄まる未来」
最近、アメリカとイランをめぐる緊張が高まり、原油価格やインフレ、金利、そしてビットコイン(BTC)への影響が気になるようになりました。
ニュースだけを見ると、
「戦争が起きればBTCは下がるのか、それとも上がるのか?」
という短期的な値動きに目が行きがちです。
ただ、今回いろいろ考えていく中で、僕がより重要だと感じたのはそこではありません。
それよりも、
「なぜBTCという資産が存在するのか」
そして、
「BTCが今後さらに何倍、何十倍にもなるとしたら、世界はどう変わっているのか」
という部分です。
今回は、イラン情勢、インフレ、米国の財政問題を入り口に、BTCの長期的な価値について整理してみます。
アメリカはなぜ今、イランを追い込んでいるのか
現在のアメリカは、イランに対して軍事的な圧力だけでなく、経済制裁による孤立化も強めています。
主な狙いは、
- 核兵器開発を阻止する
- ミサイル能力を弱める
- 革命防衛隊や親イラン勢力への資金を断つ
- 原油収入を減らす
- 最終的に交渉へ戻す
というものです。
ただ、僕が気になったのは、
「なぜ2026年の中間選挙前に、ここまで大きな軍事リスクを取る必要があったのか?」
という点でした。
政治だけを考えれば、戦争は非常に扱いづらいテーマです。
長期化すれば、
原油高 → ガソリン高 → インフレ → 国民生活への負担
につながります。
さらに戦費も増えます。
中間選挙を控える政権にとって、普通なら避けたい展開です。
イランは本当に「今すぐ核兵器を持つ状態」だったのか
ここを調べると、少し複雑な状況が見えてきます。
イランが大量の高濃縮ウランを保有していたこと自体は事実です。
つまり、
「核兵器を作る能力にかなり近づいていた」
という懸念は十分にありました。
一方で、
すでに核兵器を製造していた
あるいは、
数週間以内に核兵器を保有することが確実だった
とまでは、公開されている情報から確認できません。
ここはかなり重要です。
「核兵器を作れる能力がある」と、
「実際に核兵器を作る決断をしている」
は同じではありません。
そのため、
「2026年2月に攻撃しなければ手遅れだったのか?」
については、今でも疑問が残ります。
イスラエルがアメリカの判断を後押しした可能性
そこで浮かんでくるのがイスラエルです。
イスラエルにとって、イランの核開発は長年にわたる最大級の安全保障問題です。
そのため、外交交渉よりも軍事的に核・ミサイル能力を叩くべきだという立場を強く取ってきました。
トランプ政権も当初は交渉を続ける姿勢を見せていましたが、最終的にはイスラエルとの共同軍事作戦に踏み切りました。
この流れを見ると、
「イスラエルに完全に乗せられた」
とまでは言えません。
ただ、
イスラエル側の情報や判断が、アメリカの決断をかなり強く後押しした
可能性は高そうです。
おそらく米国側には、
指導部を叩く
→ イランが弱体化する
→ 短期間で譲歩する
→ 勝利宣言できる
というシナリオがあったのでしょう。
もし短期間で終わっていれば、むしろ中間選挙前の外交成果として利用できた可能性もあります。
しかし戦争が長期化すると、話はまったく変わります。
イラン戦争はなぜインフレにつながるのか
イラン情勢で最も直接的に影響するのが、エネルギー価格です。
特に重要なのがホルムズ海峡。
世界の原油輸送における重要ルートなので、ここが不安定になると原油価格が上がりやすくなります。
原油価格が上がると、
原油高
↓
ガソリン・電気・輸送費上昇
↓
企業のコスト増加
↓
食品・製品価格へ転嫁
↓
インフレ
という流れになります。
つまり戦争は、単なる地政学ニュースではありません。
僕たちが払う生活費にまでつながる問題です。
インフレはBTCにプラスなのか?
ここは少し注意が必要です。
単純に、
「インフレ=BTC上昇」
ではありません。
短期ではむしろ逆になることがあります。
たとえば、
原油上昇
→ インフレ再加速
→ FRBが利下げできない
→ 金利上昇
→ ドル高
→ 株・BTC下落
という流れです。
BTCはまだ完全な「デジタルゴールド」ではなく、短期ではNASDAQなどと同じように、流動性に敏感なリスク資産として売られることがあります。
そのため戦争が激化すると、BTCも一緒に急落する可能性は普通にあります。
それでも中長期ではBTCに追い風になる可能性がある
一方で、戦争が長期化すると別の問題が出てきます。
政府支出の増加です。
戦争には莫大なお金が必要です。
政府支出が増えれば、
財政赤字拡大
↓
国債発行増加
↓
政府債務増加
につながります。
しかし金利を上げすぎれば景気が悪化します。
そこで将来的に中央銀行が金融緩和を求められるようになると、
インフレしているのに十分な金融引き締めができない
という状態が起こる可能性があります。
これはBTCにとって非常に興味深い環境です。
なぜなら、
法定通貨の価値が徐々に薄まるのではないか
という不安が強くなるからです。
そもそもBitcoinは何のために作られたのか
BTCを理解するうえで、ここが一番重要だと思っています。
Bitcoinが誕生したのは2009年。
ちょうど2008年の世界金融危機の直後でした。
金融機関が大きなリスクを取り、破綻しかける。
すると政府が公的資金を使って銀行を救済する。
中央銀行も大量の資金を金融システムへ供給する。
そんな中でBitcoinは登場しました。
Bitcoinには、
- 発行上限2,100万BTC
- 中央銀行が存在しない
- 政府の判断で発行量を増やせない
- 銀行を介さず送金できる
- 自分自身で資産を管理できる
という特徴があります。
象徴的なのが、Bitcoin最初のブロックにサトシ・ナカモトが残した、
「銀行の二度目の救済が迫っている」
という当時の新聞記事へのメッセージです。
つまりBitcoinは、
「政府を信用するな」
というより、
「政府や銀行を100%信用しなくても成立するお金を作ろう」
という発想に近いと僕は考えています。
「法定通貨の価値が薄まる」とはどういうことか
ここも面白いところです。
1万円札は10年後も1万円札です。
数字は変わりません。
でも、
その1万円で買えるもの
は変わります。
たとえば昔の100万円と、現在の100万円。
同じ100万円でも、
住宅
食事
旅行
サービス
教育
など、買える量は変わっています。
つまり、
金額そのものが減っているわけではなく、購買力が減っている。
これが「通貨価値が薄まる」という意味です。
そして長期で見ると、ドルや円などの法定通貨ではすでにこれが起きています。
中央銀行は基本的に一定程度のインフレを目標にしています。
そのため、
現金を何十年もそのまま持つと、購買力は徐々に減っていく
という仕組みになっています。
実は「資産が上がった」のではなく「通貨が下がった」面もある
ここから見方を少し変えてみます。
過去数十年、
株
不動産
金
などの価格は大きく上昇してきました。
一般的には、
「資産価格が上がった」
と考えます。
もちろん、それも正しいです。
ただもう一つ、
「法定通貨側の価値が下がった」
という見方もできます。
たとえば家が、
3,000万円 → 6,000万円
になったとしても、
家そのものの価値が本当に2倍になったとは限りません。
円の購買力が低下した部分も含まれています。
この視点を持つと、BTCの値上がりについても違った見方ができます。
BTCが何十倍になる未来とは?
では、BTCがここから10倍、20倍、あるいはそれ以上になる未来とはどんな世界でしょうか。
必ずしも、
「ドルが崩壊した世界」
ではないと思います。
もっと現実的なのは、
世界の資産の一部がBTCへ移っていく未来
です。
① 個人が現金だけでは資産を守れないと考える
まず個人です。
インフレが続けば、
現金だけ持つより、資産へ変えた方がいい
という考えが広がります。
現在でも、
株
不動産
金
BTC
へ資金を移す人は増えています。
② 機関投資家がBTCを普通に持つ
次が年金、保険会社、ファンドなどです。
BTCが、
「怪しい投機商品」
から、
「ポートフォリオの数%を持つ資産」
へ変わるだけでも非常に大きい。
世界の機関投資家が扱う資金は巨大です。
一方、BTCには2,100万枚という上限があります。
需要が増えたからといって、BTCを5,000万枚に増やすことはできません。
③ 企業がBTCを準備資産として持つ
企業財務にも同じことが言えます。
現金だけではなく、
「余剰資金の一部をBTCで保管する」
という考えが一般化すれば、さらに需要は増えます。
④ 国家や中央銀行がBTCを保有する
さらに大きな変化が、
国家レベルのBTC保有
です。
現在、各国は外貨準備として、
ドル
米国債
金
ユーロ
などを保有しています。
もし将来、
「金だけでなくBTCも少し持とう」
となれば、その影響はかなり大きいでしょう。
BTCはこの段階で、
投機資産
から、
世界的な準備資産
へ近づきます。
BTCが100万ドルになっても「10倍豊か」になるとは限らない
ここも重要です。
たとえば将来、
BTC:100万ドル
住宅価格:現在の2倍
S&P500:数倍
金:大幅上昇
給与:上昇
コーヒー:8ドル
という世界になったとします。
このとき、
BTCがものすごく値上がりした
のは事実です。
でも同時に、
ドルの価値も薄まっている
可能性があります。
つまり、
BTC上昇+法定通貨下落
の両方が起きています。
BTC/USDだけ見ない方がいい
だから僕は、長期投資ではBTC/USDだけを見るより、
BTC / 金
BTC / S&P500
BTC / 不動産
という視点も重要だと思っています。
もしBTCがドルに対して10倍になっても、他の資産も10倍になっているなら、本当の意味でBTCが強くなったとは言いにくい。
一方、
BTCが金や株、不動産に対しても価値を高め続けるなら、
BTCそのものが世界の資産の中で存在感を増している
と判断できます。
僕が考える「BTCが何十倍になる未来」
僕自身、BTCが何十倍にもなる未来は、
法定通貨が完全崩壊する未来
だとは考えていません。
むしろ、
法定通貨は普通に使われ続ける。
ただ、その一方で、
「長期的な資産保存は法定通貨だけでは不安」
という認識が世界中で少しずつ広がる。
その結果、
金
株
不動産
BTC
などへ資産が分散されていく。
そしてBTCが、その中で今よりずっと大きな割合を占める。
僕はこのシナリオの方が現実的だと考えています。
まとめ|BTCの未来を見るなら「価格」より「お金の価値」を見る
今回、イラン情勢からBTCまで考えてみて改めて感じたのは、
BTC価格だけを見ると、本質が見えにくい
ということです。
戦争が起きれば短期的には、
原油高 → インフレ → 金利上昇 → BTC下落
も十分あります。
一方、長期では、
戦争・財政赤字
→ 政府債務増加
→ 金融緩和への圧力
→ 法定通貨の購買力低下への懸念
→ 希少資産への資金移動
という流れもあります。
そしてBTCは、
政府や中央銀行が自由に増やせない2,100万枚という希少資産
です。
だから僕が今後注目したいのは、
「BTCはいくらになるか?」
だけではありません。
それ以上に、
「10年後、20年後の1ドル・1円はいったいどれくらいのものを買えるのか?」
ということです。
BTCが何十倍にもなる未来とは、
世界中の人が法定通貨を捨てる未来ではなく、
「法定通貨だけで資産を保存することに疑問を持つ人が増える未来」
なのかもしれません。
投資を続けるうえで、これはかなり重要な視点だと思っています。
※本記事は個人の投資経験・考察をもとにした情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きいため、投資判断はご自身の責任で行ってください。
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