こんにちは、リョウです。
2026年8月20日から21日にかけて、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)がかなり強い動きを見せています。
僕自身も仮想通貨に投資しているので、
「何か新しい好材料が出たのか?」
と思ってニュースを追っていました。
調べていくと、今回の上昇は一つのニュースだけで起きているわけではありません。
米国債の買い戻し
+ ETFへの資金流入
+ 仮想通貨に前向きな政策
+ ショートスクイーズ
このあたりが重なっていることが見えてきました。
ただし一方で、まだ本格的な利下げ期待が出ているわけではありません。
今回は、実際に相場を見ながら僕が調べていった流れと一緒に、「なぜ仮想通貨が上がっているのか」をできるだけシンプルに整理してみます。
きっかけは米財務省による「国債買い戻し」の拡大
今回の上昇の大きなきっかけになったのが、米財務省による長期国債の買い戻し拡大です。
米財務省は、10〜30年物の長期国債について、流動性を支えるための買い戻し規模を少なくとも倍増すると発表しました。
このニュースを受けて長期金利が低下し、ドルも下落。
ビットコインや金などの資産に資金が向かいました。
ここで一つ注意したいのが、
「米財務省の国債買い戻し=FRBの利下げ」ではない
ということです。
FRBが政策金利を下げたわけでも、大規模な金融緩和を始めたわけでもありません。
ただ、市場から長期国債を買い戻すことで国債市場を安定させ、長期金利への上昇圧力を弱める効果が期待できます。
仮想通貨のようなリスク資産にとっては、プラスに受け取られやすい材料です。
さらにBTC ETFへ約5.17億ドルが流入
そして、僕が今回かなり重要だと思ったのがこちら。
米国の現物ビットコインETFに、8月19日の1日だけで約5億1,700万ドルの純流入がありました。
これは約3カ月半ぶりの大きさです。
BlackRockのIBITには約2億8,500万ドルが入り、12本あるETFのうち8本が純流入となりました。
これが重要なのは、
「価格が上がったからショート勢が買い戻しているだけではない」
可能性を示しているからです。
現物ETFに大きなお金が入っているということは、機関投資家を含めた実際の資金がBTCへ向かっているということ。
短期の投機だけではなく、本物の買い需要が戻ってきている可能性があります。
米国の仮想通貨政策も追い風に
さらに米国では、仮想通貨に対する政策面でも好材料が続きました。
トランプ大統領は8月19日にホワイトハウスで仮想通貨業界の幹部らと会談し、議会に対してCLARITY Actの成立を求めました。
これは、
- 仮想通貨は証券なのか商品なのか
- SECとCFTCのどちらが監督するのか
- 仮想通貨企業はどのルールに従えばいいのか
といった米国の長年の曖昧さを整理しようとする法案です。
まだ成立したわけではありません。
それでも、
「米国が仮想通貨を規制して締め出す」
という方向ではなく、
「ルールを整備して金融市場へ取り込んでいく」
方向へ進んでいること自体は、長期的にはポジティブだと思っています。
SECからも仮想通貨の資金調達に関する規制緩和案が出るなど、複数の材料が重なりました。
そして21日になってもBTCはさらに上昇
僕は20日の上昇を見た段階で、
「一旦上がったけど、明日には落ち着くのでは?」
とも思っていました。
ところが21日になっても上昇は継続。
Reutersによると、21日時点でBTCは一時約7万3,800ドルまで上昇し、週間では約17%上昇しました。
ここまで来ると、
「新しい好材料がさらに出たのか?」
と気になります。
ただ調べてみると、21日の上昇はまったく別の巨大ニュースが出たというより、
これまでに出た好材料が市場で消化されながら、上昇が上昇を呼んでいる
状態に近そうです。
そこで出てくるのが、今回僕も改めて理解したショートスクイーズです。
そもそも「ショート」って何?
ショートスクイーズを理解するには、まずショートからです。
すごく単純化して考えてみます。
BTCが1枚=1,000万円だったとします。
「これからBTCは下がる」
と思った人がBTCを1枚借ります。
そして、そのBTCを市場で1,000万円で売ります。
つまり、
BTCを借りる
↓
1,000万円で売る
↓
BTCが下がるのを待つ
ということです。
仮にBTCが800万円まで下がったら、800万円で1BTCを買います。
そして借りていた1BTCを返します。
すると、
1,000万円で売った
− 800万円で買い戻した
= 200万円の利益
になります。
普通の投資は、
安く買う → 高く売る
ですよね。
ショートは逆です。
高く売る → 安く買い戻す
ことで利益を狙います。
※実際の仮想通貨取引では、先物や無期限先物(Perpetual)を使うことが多く、必ずしも自分でBTCを借りて現金化しているわけではありません。ただ、利益と損失の考え方としてはこのイメージがわかりやすいです。
「買い戻す」の意味が最初はわからなかった
僕も最初、
「なぜショートした人がBTCを買い戻すの?」
というところが少し引っかかりました。
理由はシンプルです。
借りたBTCは、最終的に返さないといけないからです。
1BTCを借りたなら、最終的には1BTCを用意する必要があります。
だから市場でBTCを買います。
これが「買い戻す」という意味です。
では、BTCが逆に上がったら?
BTC1枚=1,000万円でショートしたのに、予想に反して1,200万円まで上がったとします。
この状態でショートを終了するには、
1,200万円でBTCを買い戻す
必要があります。
すると、
1,000万円で売った
− 1,200万円で買い戻した
= 200万円の損失
です。
そこで僕が次に疑問に思ったのが、
「でも、そのうち下がると思うなら待てばいいのでは?」
ということ。
確かに待つことはできます。
ただし、無限には待てません。
証拠金がなくなると強制的に決済される
レバレッジを使ってショートすると、取引所に証拠金を預けます。
たとえば、
- BTC:1,000万円
- ショート:1BTC
- 証拠金:200万円
だったとします。
BTCが1,100万円になると約100万円の含み損。
まだ耐えられるかもしれません。
しかしBTCがさらに上昇して、損失が証拠金で支えられないところまで来ると、取引所側がポジションを強制的に閉じます。
これが**強制清算(ロスカット)**です。
本人が、
「いや、あと1週間待てば絶対下がる!」
と思っていても関係ありません。
取引所からすれば、
これ以上損失が拡大すると困る
ので強制終了します。
そしてショートを終了するときには、買い方向の注文が発生します。
これがショートスクイーズ
ここまでわかると、ショートスクイーズはかなり簡単です。
BTCが上がる。
↓
ショートしていた人の損失が増える。
↓
怖くなった人が自分で損切りして買い戻す。
↓
その買い注文でBTCがさらに上がる。
↓
今度は別のショート勢が強制清算される。
↓
さらに買い注文が増える。
↓
BTCがさらに急騰する。
これがショートスクイーズです。
今回の上昇では、CoinDeskによると約30億ドル規模のショートポジションが清算され、2021年以来でも最大級のショート清算になりました。
つまり今回、
好材料が出てBTCが上昇した
だけではなく、
上昇したことでショート勢が清算され、それがさらに上昇を加速させた
わけです。
イメージとしては、
好材料がエンジン、ショートスクイーズがロケットブースター
みたいな感じです。
ただし、僕はまだ少し慎重に見ている
これだけを見ると、
「このままBTCは上がり続けるのでは?」
と思いたくなります。
ただ、僕はここでは少し冷静に見ています。
理由は、まだ利下げ期待が本格的に出ていないからです。
FRBは7月のFOMCで政策金利を**3.50〜3.75%**に据え置きました。
しかも議事要旨を見ると、複数のメンバーが利上げを支持しており、インフレが高止まりすれば追加引き締めが必要だという意見もあります。
つまり、
「これから金利がどんどん下がって市場にお金が流れ込む」
という環境では、まだありません。
むしろ現時点では、
高金利が長く続く可能性も残っている
状態です。
だから僕自身は、
今回の上昇が一旦落ち着けば、利益確定などで調整が入ってもおかしくない
と考えています。
ショート勢の強制買い戻しが一巡すれば、その分の買い圧力もなくなるからです。
逆に「利下げ期待なしでここまで上がっている」とも言える
ただ、反対の見方もできます。
これだけ金利環境が厳しいのに、
BTCが7万ドル台まで戻ってきた
ということです。
現在は、
- 米財務省による国債買い戻し
- BTC ETFへの資金流入
- 米政府の仮想通貨政策
- SEC・CFTCの規制整備
- ショートスクイーズ
などで相場が上昇しています。
ここに将来、
インフレ鈍化
↓
FRBの利上げ懸念後退
↓
利下げ期待浮上
まで加われば、さらに大きな追い風になる可能性があります。
逆にインフレが再び強くなれば、高金利が長期化して仮想通貨には逆風です。
次に注目しているのは8月26日のPCE
僕が次に注目しているのが、2026年8月26日に発表される米PCE物価指数です。
PCEはFRBが重要視しているインフレ指標の一つ。
米商務省経済分析局(BEA)によると、7月分のPersonal Income and Outlaysは8月26日8:30 EDT、日本時間21:30に発表予定です。
さらに翌日の8月27〜29日にはジャクソンホール会議も開催されます。
今後は、
PCE
↓
ジャクソンホール
↓
その後の雇用・インフレ指標
を見ながら、FRBの金融政策への期待がどう変化するかが重要になりそうです。
今回改めて感じたこと
今回、最初は単純に、
「BTCが上がってる。何か好材料が出たのかな?」
というところからニュースを追い始めました。
でも調べていくと、
国債
→ 金利
→ ドル
→ ETF
→ 政府の政策
→ 先物市場
→ ショートスクイーズ
と、全部がつながっていることがわかります。
特にショートスクイーズについては、言葉だけ知っていても、
「なぜショートした人が買うの?」
「待てばいいんじゃないの?」
というところまで掘り下げると、ようやく仕組みが腹落ちしました。
投資をしていると、難しい言葉を知っているだけで「わかった気」になりがちです。
でも、
「なぜそうなるのか?」を一段ずつ理解していく
ことで、相場の見え方はかなり変わります。
まとめ
今回のBTC・ETH上昇を整理すると、
米財務省が長期国債の買い戻しを拡大
↓
長期金利低下・ドル安
↓
BTC・ETH上昇
↓
現物BTC ETFへ約5.17億ドル流入
↓
米国の仮想通貨政策への期待も高まる
↓
ショート勢が大量清算
↓
買い戻しがさらなる上昇を生む
という流れが見えてきます。
一方で、FRBの利下げ期待が本格化したわけではありません。
そのため僕は今のところ、
「かなり強い相場になってきた。ただし、一度熱が冷めれば調整が入る可能性も十分ある」
くらいの温度感で見ています。
むしろ次に重要なのは、上がり続けるかどうかより、
一度下がったときに、どこで買い支えられるのか。
そして、
ETFへの資金流入が続くのか。
インフレが鈍化するのか。
利下げ期待が戻ってくるのか。
このあたりです。
仮想通貨は値動きだけ追っていると振り回されますが、その裏側にある「なぜ?」を追っていくと、かなり面白いですね。
※本記事は筆者自身の投資経験と市場情報をもとにした個人的な考察であり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。
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