なぜビットコインはショートスクイーズ後も上がる?ETF・イラン制裁・関税から読み解く今の相場
こんにちは、リョウです。
ここ最近、ビットコインがまた大きく上昇しています。
少し前まで6万ドル台で低迷していたBTCが、一気に7万ドル台後半まで回復し、8万ドルを意識する水準まで戻ってきました。
僕自身、最初は、
「これはショートスクイーズによる一時的な上昇なのかな?」
と思っていました。
ところが、ショートポジションの清算が一巡した後も、ビットコインは大きく崩れず、高値圏を維持しています。
調べてみると、今のBTC相場は単純なショートスクイーズだけではなく、
「流動性への期待+ETFへの資金流入+マクロ環境」
という複数の材料が重なっているようです。
今回は、僕自身が今の相場を整理する意味も含めて、
- なぜBTCが急上昇したのか
- なぜショートスクイーズ後も上昇しているのか
- ETFの資金流入はどれほど重要なのか
- イランへの経済制裁はどう影響するのか
- カナダへの50%関税はBTCにマイナスなのか
- 今後どこを見ておけばいいのか
このあたりをまとめます。
※この記事は2026年8月25日時点の情報をもとにした個人的な相場整理です。投資判断はご自身の責任でお願いします。
今回のBTC急騰、最初のきっかけは「流動性期待」
今回の上昇を考えるうえで、まず押さえておきたいのが米国債市場の動きです。
米財務省が8月19日に長期国債の買い戻し規模を拡大したことで、市場では、
「金融市場の流動性が改善するのではないか」
という期待が高まりました。
これは量的緩和、いわゆるQEそのものではありません。
ただ、市場にとっては長期金利の上昇を抑えやすくなる材料です。
そしてビットコインのようなリスク資産は基本的に、
金利低下・ドル安・流動性改善
と相性がいい。
実際、この発表後、BTCは6万5,000ドル前後から急騰し、一時8万ドル近くまで上昇しました。
そこに「ショートスクイーズ」が加わった
最初の急上昇をさらに加速させたのが、ショートスクイーズです。
ショートとは、
「BTC価格はこれから下がる」
と予想して売りから入る取引です。
しかしBTCが予想に反して上昇すると、ショートしていた投資家は損失が膨らみます。
すると、
ショート勢が損切りする
↓
BTCを買い戻す
↓
さらにBTCが上がる
↓
別のショート勢も強制清算される
↓
さらに買いが入る
という連鎖が起きます。
これがショートスクイーズです。
今回のBTC上昇では、この動きがかなり大きかったと考えられています。
つまり、
最初の爆発力を作ったのはショートスクイーズ
という理解でよさそうです。
では、なぜショートスクイーズ後もBTCは上がっているのか?
ここが今回、僕が一番気になったところです。
ショートスクイーズは本来、一時的な買いです。
ショートしていた人の買い戻しが終われば、それ以上買う理由はなくなります。
そのため普通なら、
急騰
↓
ショート清算終了
↓
買い手減少
↓
価格調整
となってもおかしくありません。
ところが今回のBTCは、ショートスクイーズが一巡した後も7万ドル台後半を維持し、再び8万ドルを試す動きになっています。
その理由としてかなり重要なのが、
現物ビットコインETFへの資金流入
です。
BTC現物ETFに約19億ドルが流入
8月17日〜21日の1週間で、米国の現物ビットコインETFには約19.2億ドルの純流入がありました。
これは約10カ月ぶりの大きさです。
しかも5営業日連続で資金が流入しています。
約19億ドル。
日本円にすると、ざっくり数千億円規模です。
この資金が重要なのは、ショートスクイーズとは買いの性質が違うからです。
ショートスクイーズ
損失回避のための買い戻し
→ 一時的な買い
ETFへの資金流入
BTCへ投資するための資金
→ 継続する可能性のある買い
という違いがあります。
つまり今回のBTCは、
ショートスクイーズによって上昇が始まり、その後をETFの現物需要が支えている
という構図になっている可能性があります。
これはかなり重要な変化だと思っています。
「上がったから買われた」という好循環もある
相場では面白いことが起こります。
価格が下がっていると、
「まだ下がるんじゃないか」
と考えて買えない人が増えます。
逆にBTCが、
6万5,000ドル
↓
7万ドル
↓
7万5,000ドル
↓
8万ドル
と上昇すると、
「底を打ったのでは?」
という心理が生まれます。
すると機関投資家や個人投資家が再び入ってくる。
それによってさらに価格が上昇し、また新しい資金が入る。
つまり、
価格上昇→投資家心理改善→ETF流入→価格上昇
という好循環です。
現在はまさに、このフェーズに入りつつある可能性があります。
ただし「ETFが完全に強気転換した」とまでは言えない
ここは少し冷静に見ておいた方がいいです。
直近では約19億ドルものETF流入がありましたが、2026年の年初来では、米国のBTC ETFはなお約28億ドルの純流出というデータがあります。
つまり、
「機関投資家が完全にBTCへ戻ってきた」
と断定するにはまだ早い。
だから僕がこれから特に注目したいのは、
ETFへの資金流入が今週以降も続くのか
です。
ここが止まってしまえば、今回の上昇は一時的なものになる可能性もあります。
逆に数週間にわたって流入が続くなら、今回の動きは単なる反発ではなく、本格的なトレンド転換に近づきます。
イランへの経済制裁はBTCにどう影響する?
もう一つ気になるのが、米国によるイランへの経済制裁強化です。
米国は8月24日、イランと取引を続ける国や企業に対して二次制裁を強化する姿勢を示しました。
これだけ聞くと、
「地政学リスクが高まるならBTCにはプラスなのでは?」
と思うかもしれません。
ただ、実際にはもう少し複雑です。
最大のポイントは原油
イラン問題でBTCを見るなら、一番重要なのは原油価格です。
もしイランが、
- 原油輸出を削減する
- ホルムズ海峡を封鎖する
- タンカーへの攻撃を増やす
といった行動に出れば、世界の原油供給に影響します。
イラン側からは、制裁がさらに強まった場合、ホルムズ海峡や湾岸地域の原油輸送に圧力をかける可能性も示唆されています。
その場合、
原油価格上昇
↓
ガソリン・輸送費上昇
↓
インフレ再燃
↓
FRBが利下げしにくくなる
↓
米金利高止まり
↓
BTCなどリスク資産に逆風
となります。
つまり、**イラン問題そのものではなく「原油がどう反応するか」**を見る必要があります。
今のところ原油価格はむしろ下落
興味深いのは、米国がイラン制裁強化を発表したにもかかわらず、原油価格が上昇していないことです。
8月24日には、
- WTI:約85ドル
- Brent:約92ドル
まで下落し、それぞれ約2.4%安となりました。
市場は今のところ、
「制裁強化=即、世界の原油供給が大きく減る」
とは見ていないようです。
BTCにとっては、これは比較的ポジティブです。
カナダへの50%関税はBTCには逆風?
そしてもう一つが、米国とカナダの貿易問題です。
8月21日、米国とカナダの貿易交渉が決裂し、米国は約200億ドル分のカナダ製品に50%関税を課しました。
対象規模はカナダの対米輸出全体の約5%とされています。
カナダ側も報復関税を表明しており、貿易摩擦が再び強まっています。
関税が怖い理由は「インフレ」
関税をものすごくシンプルにすると、
外国の商品に高い税金をかける
ということです。
例えば100ドルの商品に50%関税がかかれば、輸入側のコストは大きく上がります。
その負担を企業がすべて吸収するとは限りません。
結果として、
関税引き上げ
↓
輸入コスト上昇
↓
商品価格上昇
↓
インフレ上昇
↓
FRB利下げ期待低下
↓
米金利上昇
↓
BTC下落圧力
となる可能性があります。
つまり基本的には、関税はBTCにとって好材料ではありません。
それでも今BTCが上がっている理由
ここが今の相場の面白いところです。
普通なら、
- イラン制裁強化
- 貿易戦争
- 関税引き上げ
というニュースが出れば、市場はかなりリスクオフになってもおかしくありません。
ところがBTCは高値圏を維持しています。
なぜか。
僕は今のところ、
市場が地政学・関税リスクよりも「流動性改善」と「ETF資金流入」を強く評価している
からだと考えています。
つまり現在のBTC市場では、
マイナス材料
- イラン情勢
- 原油上昇リスク
- カナダとの貿易摩擦
- インフレ再燃リスク
プラス材料
- 米長期金利低下期待
- 流動性改善期待
- ショートスクイーズ
- BTC現物ETFへの大型資金流入
- 機関投資家心理の改善
が綱引きをしていて、
今のところプラス側が勝っている
という状況です。
今後のBTCを見るなら「ニュースより反応」を見る
僕自身、今回調べていて改めて思ったのですが、
ニュースそのもの以上に「市場がそのニュースにどう反応したか」が重要
です。
例えば、
「イラン制裁強化!」
という見出しだけを見れば、かなり危険に感じます。
でも原油が下がっているなら、
市場は、
「そこまで供給ショックにはならない」
と判断している可能性があります。
同じように、
「50%関税!」
という見出しだけを見ると大きな問題に見えます。
しかし対象規模が限定的なら、市場全体への影響はまだ小さい。
だから僕は今後、ニュースを見るときには次の4つをセットで見るつもりです。
BTC価格
+
BTC ETF資金流入
+
米10年債利回り
+
原油価格
これだけでも、かなり相場の方向が見えやすくなると思います。
8万ドルを超えるかより「8万ドルに定着できるか」
現在BTCは、心理的節目である8万ドルを何度も試しています。8月24日には一時約7万9,955ドルまで上昇しました。
ただ僕は、
「8万ドルを一瞬超えたか」
よりも、
「8万ドル以上で定着できるか」
の方が重要だと思っています。
例えば、
ETF資金流入継続
+
8万ドル突破
+
8万ドル付近をサポート化
+
米長期金利安定
となれば、
8万5,000ドル
↓
9万ドル
↓
10万ドル
という流れも十分視野に入ってきます。
逆に、
ETF流入減少
+
8万ドルで何度も跳ね返される
+
7万7,000ドル前後を下抜け
となれば、
今回の上昇のかなりの部分がショートスクイーズだった
という評価に戻る可能性があります。
今回のBTC上昇を僕なりに整理すると
今回のビットコイン上昇は、
「ショートスクイーズだけで25%近く上昇した」
と考えると少し説明が足りません。
僕は今のところ、
米国債買い戻し
↓
流動性改善期待
↓
BTC上昇
↓
ショートスクイーズ
↓
急騰
↓
投資家心理改善
↓
BTC ETFへ資金流入
↓
高値圏維持
という流れで見ています。
つまり、
ショートスクイーズが「点火装置」で、ETFが「燃料」になりつつある
というイメージです。
まとめ:今はETF資金が続くかを見る局面
今回のBTC上昇を見る限り、短期的な空気はかなり変わってきたように感じます。
特に僕が注目しているのは、現物BTC ETFへの資金流入です。
ショートスクイーズによる買い戻しはいずれ終わります。
しかしETFを通じて新しい資金が継続的に入ってくるなら、BTCを高値圏に押し上げる力になります。
一方で、
イラン情勢→原油→インフレ
そして、
関税→インフレ→米金利
という逆風も残っています。
だから今後は、
「BTCが上がっているから強気」
だけで判断するのではなく、
ETF流入が続いているか、原油と金利が暴れていないか
をセットで確認していきたいと思っています。
個人的には今のBTCは、
ショートスクイーズ相場から、本当に現物資金が入る相場へ移行できるかどうか
その分岐点にいるように見えます。
ここから8万ドルを明確に超え、さらにETFへの資金流入が続くのか。
しばらくかなり面白い局面になりそうです。
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