最近、為替と仮想通貨市場を見ながら、ひとつ気になっていることがあります。
「アメリカの金利がそれほど下がらないなら、ビットコインは本当に上がるのだろうか?」
という疑問です。
2026年8月現在、ドル円は再び円安方向へ動き、1ドル158円前後まで上昇。
一方、アメリカではインフレがまだ完全には収まっておらず、政策金利も高い状態が続いています。
さらに、仮想通貨市場にとって期待されていたCLARITY法案も、成立への不透明感が強まっています。
こうして並べてみると、
「BTCが大きく上昇する材料があまり見えない」
と感じるのも自然です。
今回は、最近僕自身が気になって調べた、
- アメリカがなぜドル覇権を守ろうとしているのか
- 中国は仮想通貨を禁止しているのに、なぜ米国は警戒するのか
- 円安を止めるために日銀はどこまで利上げできるのか
- アメリカの金利は今後どこまで下がるのか
- それでもBTCが上昇するシナリオはあるのか
このあたりをまとめて考えてみます。
トランプ大統領が「仮想通貨を中国に奪われたくない」と発言
最近、トランプ大統領が仮想通貨について、
「中国に仮想通貨の主導権を奪われたくない」
という趣旨の発言をしています。
さらに、仮想通貨の普及によってドルへの圧力を和らげられる可能性についても触れています。
最初にこれを聞いたとき、少し疑問に思いました。
なぜなら中国本土では、ビットコインをはじめとした仮想通貨取引は厳しく規制されているからです。
それなら、
「中国に仮想通貨市場を奪われる心配なんてないのでは?」
と思いますよね。
ただ、ここでいう「仮想通貨」は、単純にBitcoin取引だけを意味しているわけではなさそうです。
本当の争いは「次世代金融インフラ」の主導権
中国はBitcoinのような民間の分散型通貨には厳しい姿勢を取っています。
一方で、
デジタル人民元
ブロックチェーン
国際デジタル決済
など、国家が管理できるデジタル金融については積極的です。
つまり米国が警戒しているのは、
「中国人がBitcoinをたくさん買うこと」
ではありません。
むしろ、
将来の世界の決済インフラを中国側に握られること
なのだと思います。
これはドルにとってかなり重要です。
現在、ドルは世界中の貿易、金融取引、外貨準備などで使われています。
世界がドルを必要とするからこそ、
- 米国債が買われる
- アメリカは資金調達しやすい
- 金融制裁が強力になる
- 世界の資金が米金融市場へ集まる
というメリットがあります。
つまりドルは単なる通貨ではなく、
アメリカの国力そのもの
でもあります。
だから米国としては、ブロックチェーン時代になっても金融の中心であり続けたいわけです。
Bitcoinを潰すのではなく「米国側に取り込む」
ここが現在の米国の面白いところです。
以前なら、
Bitcoin=ドルを脅かす存在
と考えられていました。
しかし現在はむしろ、
「Bitcoinを止められないなら、アメリカが中心になればいい」
という戦略へ変わってきています。
特に重要なのがステーブルコインです。
USDCやUSDTなどのドル建てステーブルコインが世界中で普及すれば、銀行口座でドルを持っていない人でも、実質的にデジタルドルを保有できます。
つまり、
仮想通貨市場が拡大するほど、逆にドル圏が広がる可能性がある
というわけです。
Bitcoinとドルは、必ずしも完全な敵ではありません。
将来的には、
価値保存=Bitcoin
決済=ドル建てステーブルコイン
という形で共存する可能性も十分あります。
ただしCLARITY法案は不透明
一方、仮想通貨市場にとって期待されているCLARITY法案は、少し雲行きが怪しくなっています。
CLARITY法案では、
- SECとCFTCの役割分担
- 仮想通貨が証券なのか商品のような扱いなのか
- 取引所のルール
- DeFiの取り扱い
などを明確にすることが期待されています。
これが成立すれば、米国の仮想通貨市場にかなり大きな安心感が生まれます。
しかし現在は、
銀行業界
仮想通貨企業
共和党
民主党
それぞれの利害がぶつかっています。
特にステーブルコインの利回りや、政治家と仮想通貨事業の利益相反などが大きな争点です。
そのため、
「米国が仮想通貨大国になる」という方向性は変わっていないものの、制度作りが追いついていない
というのが現在の状況だと思います。
8月10日に急に円安が進んだ理由
もう一つ最近気になったのが日本円です。
8月10日、ドル円が急に円安方向へ動き、158円台まで上昇しました。
原因は一つではありません。
主に、
原油高
+ 日本の財政不安
+ 日銀の利上げに対する疑念
+ 直前の急激な円高の巻き戻し
が重なったと考えられます。
特に日本はエネルギー輸入国なので、原油価格が上がるとドルで原油を買う必要が増えます。
そのため、
原油高 → 円売り・ドル買い
になりやすい。
さらに日本政府の財政支出や減税を巡る議論も、
「日本の借金は大丈夫なのか?」
という不安につながり、円の弱さにつながっています。
では日銀がどんどん利上げすればいいのか?
円安を止める一番わかりやすい方法は利上げです。
現在の日銀政策金利は約1%。
仮に、
1.0% → 1.25% → 1.5%
と上がれば、日米金利差が縮まるため円高要因になります。
僕自身、1.5%程度までなら十分現実的なのではないかと考えています。
ただし問題は、
利上げすればすべて解決するわけではない
ということです。
利上げすると、
住宅ローン金利上昇
企業の借入コスト上昇
設備投資減少
消費低迷
国債利払い増加
という副作用も出ます。
日本政府は莫大な国債を抱えているため、金利上昇は時間をかけて財政負担を増やします。
つまり日本は、
利上げしない → 円安が進む
しかし、
利上げしすぎる → 日本経済が苦しくなる
という難しい立場にあります。
そのため日銀としては、一気に2〜3%まで上げるより、
1.0% → 1.25% → 1.5%
くらいをゆっくり進めたいのではないでしょうか。
日本にとって理想なのは「アメリカ側の金利低下」
ここで重要になってくるのがアメリカです。
現在、米国の政策金利は3.50〜3.75%程度。
これは平常時と比較するとまだ高めです。
ただしFedが長期的に考えている中立金利は、現在の予測では3%前後です。
つまり、
アメリカの金利が1〜2%まで大きく下がる可能性は、それほど高くない
ということです。
ここは僕も少し意外でした。
ただ、
米国3.6%
日本1.0%
だったものが、
米国3.0〜3.25%
日本1.5%
くらいになれば、日米金利差はかなり縮小します。
そうなれば、
1ドル150円前後
まで円高になるシナリオも十分ありそうです。
日本にとっては、
日銀だけが無理して利上げするより、
米国の金利低下+日本の緩やかな利上げ
の組み合わせが最も理想的でしょう。
でも米金利が3%程度までしか下がらないなら、BTCは上がるのか?
ここで僕が一番疑問に感じたのがこれです。
Bitcoinは一般的に、
低金利
→ 市場に資金が増える
→ リスク資産が買われる
→ Bitcoin上昇
というイメージがあります。
それなら、
「Fedが3%程度までしか金利を下げないなら、BTCの上昇余地は小さいのでは?」
と思いました。
ただ、調べていくと、必ずしもそうではありませんでした。
Bitcoinにとって重要なのは、
金利の絶対的な高さよりも、金利がどちらへ向かっているか
です。
例えば、
4% → 3.5%
でも、
「利上げ局面が終わった」
と市場が判断すれば、資金はリスク資産へ戻りやすくなります。
逆に、
3.5% → 4%
なら、Bitcoinにはかなり逆風になります。
つまりBTCに必要なのは、
金利1%
ではなく、
「これ以上金融環境が厳しくならない」という安心感
なのだと思います。
今のBTCに足りないのは「ETFへの資金流入」
そして現在、BTCにとって金利以上に重要なのが、
機関投資家の資金流入
だと思っています。
特に米国のBitcoin現物ETFです。
これまでのBTC上昇でも、
ETFへの巨額資金流入
企業によるBitcoin購入
機関投資家の参入
が非常に大きな力になりました。
逆に2026年に入ってからETFへの資金流出が続けば、BTC価格はどうしても上がりにくくなります。
だから今後のBTCを見るときは、
「Fedが何回利下げするか」
だけでは足りません。
僕なら、
① CPI
② Fedの政策
③ Bitcoin ETFへの資金流入
④ CLARITY法案
この4つを見ます。
BTCが再び上昇するシナリオ
例えば、
米CPIが低下
↓
Fed追加利上げの可能性低下
↓
次は利下げという見方が強まる
↓
米金利・ドルが低下
↓
投資家のリスク許容度回復
↓
Bitcoin ETFへ資金流入
↓
BTC上昇
という流れです。
この場合、Fedが1〜2%まで金利を下げなくても問題ありません。
重要なのは、
資金の流れがBitcoinに戻ってくること
です。
逆に、
CPI高止まり
Fed利上げ
ETF資金流出
CLARITY法案停滞
が同時に続けば、BTCはかなり苦しいでしょう。
僕自身、今の時点では、
「BTCは必ず近いうちに大きく上がる」
とは考えていません。
むしろ今は、
次の上昇相場が始まる条件が揃うのかを確認する時期
だと思っています。
まとめ|BTCは「金利」だけで見ると判断を間違える
今回いろいろ調べてみて、BTCを見る視点が少し変わりました。
これまでは、
Fedが利下げする=BTC上昇
と比較的シンプルに考えていました。
しかし実際には、
金利
ETF資金流入
規制
ドル
機関投資家
市場心理
など複数の要素が絡み合っています。
特に重要なのは、
「金利が何%なのか」より、「金融環境が良くなる方向へ向かっているか」
です。
Fedが3%台でも、利上げ局面が終了し、ETFに資金が戻り、規制環境が整えばBTCは十分上昇できます。
一方、金利が多少下がってもETFから資金が流出し続ければ、大きな上昇は難しいでしょう。
そして日本円についても同じです。
日銀だけを見るのではなく、
日本の利上げ+米国の金利低下
をセットで考える必要があります。
今後僕自身が特に注目したいのは、
米CPI
Fedの金利見通し
日銀の1.25〜1.5%への利上げ
Bitcoin ETFの資金流入
CLARITY法案
この5つです。
短期的には不透明感が強い市場ですが、逆に言えば、これらの条件が少しずつ改善してくれば、BTCの次の上昇シナリオも見えやすくなってきます。
今は価格だけを追うより、
「次の資金がどこから入ってくるのか」
を見る時期なのかもしれません。
※本記事は2026年8月時点の情報と筆者の考察をもとにしたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。
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